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2007.07.26

解離性障害

解離性障害 (新現代精神医学文庫) 西村良二(編著) 樋口輝彦(監修) 2006 新現代精神医学文庫(新興医学出版社)

専門書であり、治療者にとってはきわめて実用的であろう。

解離性障害についての知識はあふれており、被暗示性の高さが解離性障害の素因にあげることができるならば、この溢れるばかりの情報がますますこの障害の増加を後押しさせることになる。
しかし、正確な知識の伝達は、疾患の概念や用語の定義が流動的であって統一されがたいことによって、しばしば困難を生じる。
それが「多重人格」や「記憶喪失」のようなドラマティックでファンタジックなイメージを喚起をするものであればあるほど、不十分な理解と不用意な発言が、二次的、三次的にイメージを肥大させて、ますます中核が不透明になるように思われる。
「現在の解離性(転換性)障害をめぐる議論は、第一次力動精神医学への回帰といっても過言ではない」(p.19)という指摘が興味深かった。

解離性障害について、一般的な知識として重要なことは、「現代の精神医学では解離を必ずしも病的な現象とはみなさず、むしろ個人が破局的な体験を乗り越えるための防衛機序として認識されている」(p.6)ことであろう。
解離性健忘、解離性遁走、離人症や解離性同一性障害など、各自が思い当たり、思い悩むことがあれば、自己判断せずに専門医に相談してもらいたい。
もしかしたら、非病的なものであるとわかれば安心できるかもしれないし、病的なものであれば治療の対象となるからである。

解離は、本来、自己を防衛する機序である。
人は誰しも、解離したり、抑圧したりしながら、自分を守っている。
だとしたら、近代的な理性は、やはり神話性に溢れるものだと思われてくる。
自己とか自我とか呼ばれるものに徹底的にこだわってみたとしても、それは決して純粋無垢の一枚岩ではないことが示されるのではないか。
個の自明性は、それが成り立つことにおいて危うく、そこに責を負い込ませることにおいて危うい事態が、ありはしないだろうか。
ぴったりの表現が見つからないが、自戒として書いておく。
つまり、この自分でさえ、完璧で純粋な≪私≫ではないということ。

 ***

8月22日以降、本書と無関係のTBが急増。ニュースに登場した単語がタイトルに使われているからであろう。ニュースの内容については私がとやかく言うことではないが、ニュースにすら無関係の記事のTBも多い。うっとうしいので、この記事だけTBを受け付けないことにする。

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