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2007.06.27

張形と江戸をんな

張形と江戸をんな 田中優子 2004 洋泉社

江戸の男女比率は、偏っていた。女性が男性の四分の一だったか。
だから、離縁状は男性が書いて結婚時に女性に預け、出産歴のある女性は再婚相手として喜ばれた、と聞く。
だから、吉原なり、遊び場所が発達したのも頷ける。

それなのに、何故に江戸おんなに張型が?とわからなくて購入。
そういえば、江戸には武家屋敷があり、大奥があったじゃないかと読み始めてからやっと気づく始末。
男性に不自由しないと女性が張形を積極的に利用することはなかろうという、私の発想における男根主義の影響が見てとれる。

豊富な図版。描いた人もすごいが、集めた人もすごい。
その上、整理と分析が面白かった。絵画の研究とはこのように行うのか、興味深い。
上方はカタログ化したハウツーものが多く、江戸は時代が下がり、絵にストーリーを付したものが多いという。
特に江戸においては、武家の女性(男子禁制の生活をしている女性)の間で遣われるものとして紹介され、後家さんが用いるもの、男女の性行為に用いるものとして、絵の中での位置づけが変わっていく。

ぽんぽんと絵師の名前が当然のように出てくる。初心者には誰が有名で無名かすらわからなかった。さすがに、葛飾北斎の「蛸と海女」だけは見覚えがあったが。
こんな姿勢は可能なのか?とか、それはかえって疲れるんじゃないの?とか、そこまでするかーっ?とか、春画にツッコミどころは満載で、そこを笑うことが楽しみ方なのだそうだ。
笑う以前に、その道具は一体どうやって遣うんで?と首をかしげるものもある。もう少し説明がほしい。どれが何?

一番予想外だったのは、互形であり、本手づかいと呼ばれる女性同士の行為である。これは自慰になるのか(相手を男性の代替とする行為)なのか、相手が女性だからこその関係になるのか、関心を引かれる。
ジェンダーもセクシュアリティも、今風な定義づけとはまったく感覚が違っていたんだろうなあ。女性であることを考える好材料である。

はたして、女性に性欲はあるやなしやと問われれば、あるに決まっているじゃないか。
「絵師が男性であることから春画は男性のファンタジーの産物」と簡単に片付けることを斥け、女性のマスターベーションをあからさまに堂々と描き、男性不在の性行為まで描いてみせたところに、性に関する西洋的な幻想の限界を開く通路を、著者は示してみせる。

読んでいる最中に歌舞伎を見に行った。
この時代から、女性の性は変化をしているが、「女性のように綺麗な顔の男性」が一定の人気を得ることには変わりがないように思う。
しばらく、江戸文化に好奇心がくすぐられそうだ。

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