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2007.05.20

四畳半神話大系

四畳半神話大系  森見登美彦 2005 太田出版

すんごい凝っている。
計算しながら構成しないと。勢いで書くのは難しそうだ。
バッハの遁走曲のような綿密さを持つ四つの平行した物語。
最初の3章のある種の冗長さがあるからこそ、4章の孤独感と新展開が印象的だった。

最初は二段に組まれている紙面に、おろろとよろけてしまい本を取り落とした。
が、読み始めると、『太陽の塔』から『夜は短し歩けよ乙女』『新釈 走れメロス』に通じる世界だ。
樋口&羽貫さんのコンビも出てくるが、幻の至宝「薔薇色で有意義なキャンパス」から遠のくばかりの二年間を送り、ふと我に帰った三回生である大学生が主人公である。
物語に飲み込まれるあまり、途中で「蕎麦色?」と見間違えたことを恥ずかしながら告白しておく。

主人公は現実から遁走しかねんばかりの、ぎりぎりの直前で四畳半で踏みとどまっている。四畳半は主人公にとって、仮屋(大塚英志『人身御供論』)である。
作者の文体の妙味が活きており、ばかばかしくも微笑ましく、涙ぐましく、健気でいじましく、しかも珍しいことに、主人公の恋は成就する。
そう。黒髪の乙女である明石さんとの赤い糸も、唾棄すべき友人である小津との運命の黒い糸も。

表紙のもちぐま、本物の画像は森見氏のブログで著者近影として見ることができる。
これは可愛い。ふぎゅうっと抱き潰したくなるような可愛さである。
しかし、可愛いのはもちぐまだけではない。
二十歳過ぎたむさ苦しい男を誰が抱きしめてやりたいと言われれば、私からしてみれば私がしてやりたいと挙手せんばかりに、主人公達だって十二分に可愛いのである。
私はジョニーにほだされやすい、このだらしなさをなんとかせねば。

ジュール・ヴェルヌ『海底二万哩』や『ロビンソン・クルーソー』、『宝島』、あるいは西田幾多郎『善の研究』、カフカ『変身』にハイデガー『存在と時間』、『半七捕物帳』など、本がいろいろ出てくる。特に、この中の『善の研究』の解釈は大好きだ。
かと思えば、三条のアイリッシュパブに木屋町の長浜ラーメン、いつもの進々堂に出町柳商店街など、見知った場所が出てくる。出てくる。
うわーうわーっと、物語に関係なく、固有名詞に声を上げたくなった。
かの大学の人たちは、吉田神社のみならず、下鴨神社の祭神にも奉納舞を捧げるのか……。

明日はちょっと京都に行ってくる。昼食はわびすけかイノダ本店か進々堂で食べて、今出川は相国寺で若冲展を見たり、三条やら錦市場をぶらぶらしたり。
明後日は高津古文化館に挨拶して、北野天満宮前を駆け抜け、疎水の対岸より京都市動物園のキツネに向かって一礼をし、インクラインの葉桜を眺め、鮪節のおだしに舌鼓を打ったりなんだりする予定。
あんまり関係する場所を歩き回る時間はないだろうが、疎水べりで一人でにまにま笑っているアヤシイ人がいたら、私かも。

200711142046000森見さんの既刊本を制覇してしまった。新しいの、出ないかなー。たぬきたぬき。

 ***

友人が送ってくれた、私のもちぐま♪ 名前は「もちみぃ」。

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コメント

ふっふっふ。読みましたぞぇ。
これで私も森見作品制覇じゃっ(嬉)
この文体にすっかり慣れたからなのか、これが森見作品の中で一番面白かったような気がするなぁ~。

タイミングよく京都に行けて良かったねー。
うらやましいっ(笑)

すずなちゃんも制覇おめでとうございます!笑
新作たぬきの初稿も書き終わったらしいですぞ。

私が一番面白かったのは、どれかなあ。
「四畳半~」か「太陽の塔」のどっちか迷います。

京都は歩くだけで笑っちゃう町になってしまいました。(^^;;;
鴨川デルタの突端に立ってみたい~。

こんばんは~!

大分、前に読みましたが
ここの記事を見つけ可笑しさが
よみがえってきました。
ほんと、おもしろかったです♪

kazuさん、こんばんは。コメント&TB、ありがとうございます。

この本はとても楽しかったですね。
私のつたない記事で面白みを思い出してもらえるなんて、光栄です。
今後ともよろしくお願いします。

こんばんは!
「蕎麦色」は言い得て妙ですね~「蕎麦色のキャンパスライフ」が「薔薇色のキャンパスライフ」に変わるか否か、4パターンの物語を楽しみました(笑)
猫ラーメンを食してみたいものです♪

エビノートさん、こんばんは。
もちぐま画像を追加アップしてみました☆
猫ラーメンに猫炒飯♪ 美味しそうで不思議な食べ物も、森見作品の特徴ですね。

香桑さん、こんばんは(^^)。
ぶふっ!蕎麦色!正に蕎麦色!!
ウケのあまり、パソコンを前にずっこけた水無月・Rがおりますよ。
何とも「腐れ大学生」な世界で。ここまでスゴくなかったけど、私も腐れ大学生な青春(笑)をおくっておりましたので。思わず郷愁をそそるというか(^_^;)。
きゃあ~!もちぐまだ!もちぐま!!
私も欲しいですッ!

水無月・Rさん、こんばんは。
主人公には、薔薇色よりも蕎麦色のほうが似合うんですぅぅぅ。でも、ただ単に見間違えただけなんです……orz

私の大学生活もそれなりに腐れていましたし、腐れ大学生を抱えられる大学のほうが健全のような気がします。あんまり管理しちゃうと、大学のよさがなくなる気がするのです。
授業をひとつもさぼらないようにと、キャンパスを東奔西走して疲弊消耗している大学生を見ると、もりみーを読ませたくなります。

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