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2007.04.23

鹿男あをによし

鹿男あをによし 万城目学 2007 幻冬舎

十二支十干は60で一巡りする。節目の年には作法がある。
1800年前に始まり、300年前、作法が守られなかったときには災難があった。
神様たちには人知を超えた思惑があり、人知れず祭祀は連綿と続けられてきた。
『鴨川ホルモー』に続く二冊目は、ばかげているようにさえ見える、けれども続け保つに相応の伝統を扱っている点で前作と通底している。
ぐいぐい読ませる面白さ。何重にも仕掛けられた物語。前作以上のスケールがあり、読みやすい上に読み応えがある。物語も文章も危なげなくて、安心して読むことができる。作者のスキルアップも感じた。

面白かったぞー。この人の作風、好き。
今度の舞台は奈良、しかも女子校。若い男性にとって、教師のキャリアが女子校から始まるというのは、なかなかシビアなことだと思う。
剣道の試合の様子は、経験のないものにとっては、具体的に情景を思い浮かべることはできなかったけれども、迫力があった。
そういうリアルな世界と地続きなところで展開される、日常生活のどこかでひっそりと息づくファンタジー。
物語の時期は秋だが、亥年の今年に読んでもらいたい本だ。今年、起きるかもしれない物語だ。

遠足で行った飛鳥の景色が懐かしい。奈良も何度も行った土地である。
のどかな風景がいとしい。古きよきもの、保つべきものを思い起こさせる。
文字情報に収斂されえないものがある。情緒も現象も言葉に回収することが難しい。物自体にいたってはデジタル化して保存することはできない。
自然そのものも、人の思いや仕来り、歴史や伝統というもの、一瞬の現象も、残すべきかどうかの価値判断は別に置き、残すことが難しいものがある。

特別に格好いい人物とか、美しいだけの人物とかは出てこない。それぞれが、魅力的なところと、そうでもないところを兼ね備えた、普通の人たち。
主人公も異常な事態に巻き込まれ、普通に戸惑い、怒り、困り果て、情けなくなり、反省もする。
人間ではないものたちも含めて、作者は、時にユーモラスに、愛着を持って描いているように感じる。
この憎めない感じが好きだ。人物達の健康さに、ほっとする。ここが一番、読んでいて安心するポイントだと思う。

そして、古今、呪い(のろい/まじない)の解除といえば、これよねー。
これしかないといえばない。うむうむ。
時空を超えた愛と、初々しい恋の予感と、ラブの要素も見逃せない。
乙女心強化中の方にもお勧めである。

薬師寺や興福寺、当麻寺、唐招提寺など、奈良にはお寺がいっぱいで、この物語に出てこなかった名所も多い。いつかまた行きたいなあ……。
薬師如来の眷属は十二神将で、彼らは十二支それぞれの守り神とされる。
今年はちなみに丁亥の年。亥年は宮毘羅大将だ。
これ以上、嫌なことや怖いことの少ないよう、よろしくお願いしたいものです。

 ***

京都在住の読書友達ができた。なんと、著者のサインをもらってきてくれた。私の実名入りである。著者のサインも嬉しいが、なによりその友人の気持ちが嬉しく、記念の一冊となった。その後、連絡が途絶えてしまったが、今も作者のサインの入った本は記念である。

 ***

TBのかわりに……

苗坊さんのブログ 『苗坊の読書日記』 鹿男あをによし 万城目学
オススメ!「さあ、神無月だ――出番だよ、先生」

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コメント

ちょっと遅れたけど、読みました(笑)
前作に負けず劣らず面白かった。
奈良に行って鹿にポッキーを差し出したくなったよー(^^)

ポッキー5本ですね!笑
犬や猫はカカオは摂取したらいけないですが、鹿はどうなのかなあ。

すずなちゃんが書いているとおり、前回が爆笑モノなら、今回は微笑?
がはは笑いじゃないけれども、面白かった。みたいな。

小説ばかりを先に読むんで、専門書が残って仕方がないです。
でも、やっぱり小説が読みたいので、女子高繋がりで、三浦しをん『秘密の花園』もとりかかりました。

香桑さん、こんにちは。
前作「鴨川ホルモー」同様、ユーモアあふれる文体で、楽しかったです。
剣道は、私も未経験ですが迫力がありましたね~。
奈良はおなじみの土地だったのですね。
キャラクターたちへの愛着も感じられてよかったです。
最後のラブ場面、拍手を送りました(笑)。

ウエブリブログのトラバは通るのですね…(涙)。
お手数ですが、先にトラバいただいてよろしいでしょうか?。あ、こちらの記事は24日アップです。

藍色さんのところだけ、ひっかかるんですね。(T_T)
すずなちゃんのときは、特に問題は起きていませんか?

最後がよかったですねー。有川さん作品で乙女心を強化している皆さんのお気に召すはず!と思いました。
これって、でも、ラブコメ男心風味なんですかね?

イトちゃんの潔さがかっこよく可愛い。ねずみさんも憎めない感じで、ほっとしました。
是非、次作は大阪を舞台で。

私のとこは全く問題ないみたい。さくさくです。<TB

え?猫にカカオってダメなのっ!?し、知らなかったぁ^^;じゃぁ、鹿にも・・・。でも、この本を読んだ人は、奈良の鹿にポッキーあげちゃうんじゃなかろうか。ひょー☆

「秘密の花園」それはまた、毛色が全然違う(笑)
あ~でもこれは、あまねちゃんの感想が聞きたい本だな。楽しみにしております。

むーん。がんばれ、nifty……。 猫にあげちゃいけないのは、玉葱、貝、チョコレート。キャベツもかな??
それぞれ有害だと聞いた憶えがあります。

TBでコメント返信は初めてだったので少々驚いております。

読んだら、感想書きますので、ぜひお立ち寄りください。あと半分くらいぃ。

kiruhamzdさん、コメントもありがとうございますね。驚かせてしまい、申し訳ありません。またそちらにお伺いいたします。
『鹿男』結構、長かったですものね。あと半分ですと、楽しいところがいっぱい残っていますね♪

呪いの解除の方法、イトちゃんがかわいらしかったです。
ドラマは、おれが玉木宏 藤原君が綾瀬はるか らしいです 。どんなドラマになるんかしら?

花さん、こんばんは。TBありがとうございます♪
玉木宏の顔が、アレになるわけですね。とてもボリュームがある物語だから、どこかが切り落とされるんでしょうけれど。
きっと、ついつい見てしまうと思います。

こんばんわ。TBさせていただきました。
ドラマが始まる前から予約していたのですが、丁度入った頃くらいに読みました。
最初、ドラマは興味なかったのですが、本を読んで面白い!と思い、観ればよかったなぁとちょっと後悔しました^^;

苗坊さん、こんばんは。TBの代わりに、直リンを貼らせていただきました。
ドラマは最初は設定の違いなどで微妙な気分になることも多かったのですが、中盤以降はドラマはドラマとして楽しみました。ドラマだけ見ると、ドラマとしては頑張っている方になるが、原作が面白いからね、と友人談。
マイシカを映像で見られてよかったです。イトちゃんがぴったりでしたよー。

香桑さん、こんばんは(^^)。
「マイシカです、先生」に大爆笑した、水無月・Rでございます。
きっと、すんごい「どや顔」してたでしょうね(笑)。
万城目さん、面白いですねぇ!
「おれ」にトホホ感が漂うのが、私の好みにとっても合いまする。
ヒメと神獣たちのエピソードが、良かったです。健気だな~って、ほろりとしました。

水無月・Rさん、こんばんは。
マキメ作品大好きなので、水無月・Rさんが楽しんでいらっしゃる様子が、わがことのように嬉しいです。
そうなんですよね。神獣たちはヒメが大好きだったんですね。
人はとても忘れやすいのに。彼らはずっとずっと覚えていて、きっとこの先も続けていくんです。

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ぎゃひ~!おっ、おおおおっ、面白すぎ! 素晴らしいです、万城目学さん! 『鴨川ホルモー』と『ホルモー六景』での格調高きトホホの香り(笑)で、私の心はがっつりとわしづかみにされちゃったんですけど、本作『鹿男あをによし』も、最ッ高! いやぁ、ホント楽しかった!万城目さん、ハマるわ~!大爆笑しながら、読みました。... [続きを読む]

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