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2007.04.12

パイド・パイパー:自由への越境

パイド・パイパー - 自由への越境 Nevil Shute 池 央耿(訳) 2002 創元推理文庫

パイド・パイパー。ハメルンの笛吹きのように、主人公の元に子どもが次々に集まってくる。本人が望むと望まざるとに関わらず。
主人公は70歳のイギリス人男性。既に引退した人間だと、自覚しているような人物である。ピーター・オトゥールの風貌と発音を思い出しながら、読んだ。
いかにもイギリス人らしい主人公は、こんな風に年を取れたらよいかもしれないと、理想を投げかける「大人」の人物である。
彼の忍耐強さには感服する。本当にすごい。とってもすごい。

この本は第二次世界大戦の真っ最中に書かれた。
だからだろうか。
私は空爆にあうロンドンの雰囲気や、牧歌的な農村風景と戦々恐々と逃避する人々との対比や、そんなところに戦争の臨場感を覚えた。

戦争中なのにロンドンからフランスの山村に釣りに行ことする心境や、それが可能となる状況が不思議だった。
ドイツの侵攻、主人公はフランスから帰国を図ろうとする。イギリスへ、自由のある場所へ。主人公に託される子ども達。
フランスとドイツとイギリスでどのように戦争が進んでいったのか。その辺りは、桜井哲夫『占領下パリの思想家たち:収容所と亡命の時代』を読んだ今なら、もう少し舞台背景を想像できる気がする。

キャラクターは魅力的で、物語は結末まで飽きさせない。
戦争という非日常の状況で、主人公は日常の自分らしさを失わない。
もしも、少し穏やかな気持ちになりたかったり、ほっとするような慰めをほしかったり、勇気を忘れそうになったら、この本が役立つかもしれない。
こんな世情だからこそ、作者のメッセージはいまだ色褪せない。若い世代の方にも読んでほしい。

パイド・パイパーと聞いて、真っ先に思い出したのはLed ZeppelinのStairway To Heavenの歌詞。
  And it's whispered that soon if we all call the tune
  Then the piper will lead us to reason.

(2005.1.26)

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