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2007.04.18

くくしがるば

くくしがるば 遠藤徹 2007 角川書店

面妖な本を買ってもうた。
タイトルも意味不明ならば、広告の紹介文も了解不能。そのわけのわからなさに興味を惹かれて購入。ちなみに、その紹介文とは下記のようなもの。
「今は昔。ちょうど三日前のことだった。有馬温泉駅前旅館皇女が寝耳に洪水でご懐妊なさったのは。」
はずれそうな予感が半分、怖いもの見たさの期待が半分。好奇心でくるみこんで、えいっと密林書店で購入ボタンをクリック。
モリミーみたいな感じだったらいいな、と、待つこと数日。

読み始めてしばし、首をかしげた。
有馬温泉とくるからには、関西圏の人が書いているのだろうか。
内容は、どことなく関東の人っぽいなあ、なんて思ったのだ。
巻末で著者紹介を見る。……今度は、同志社かいっ。
あとで調べなおすと、同大の教員であるが、東大・早大院を出た人だそうで。
この人の講義ってどんなことになるのだろう? どんなことを専門とする人なのだろう?と調べたくなるような不思議な一冊だったのだ。

スピーディに、ひたすらスピーディに、勢いに乗って読む。
立ち止まっちゃいかん。考えちゃいかん。
だってさ、ツッコミはじめるときりがないよ? しばきたおしてしまいそうだよ?
関西出身の友人からも、そうじゃない友人からも、「きちんとつっこめ」と叱られていた私でもつっこめるぐらい、ツッコミどころ満載なんだもん。
なんで?とか、どうして??とか、疑問は丸投げして、ひたすら音を追うようにして読んだ。

その音が面白い。リズミカルな文体は、似たような言葉を3つ重ねる癖がある。
意味や音が近い言葉を重ねることを自分がよくするので、親近感をもって気になった。
その長い文章のそこここに、どこかで見たことがあるようなフレーズがてんこもり。あるいは、どこかで見たことがあるようなものが変形したフレーズも。その上、見慣れぬ熟語や専門用語、慣用句やら、難易強弱入り混じる。
そのフレーズがよく知っている歌詞や、CMだったりすると、頭の中で自然にメロディをつけて読んでしまう。そのたびに、そこはかとない敗北感が湧く。

音読したら、すんごいことになりそうだ。
全編が言葉遊び……というか、作者の方には失礼だが、丸ごとオヤジギャグというほうがノリが伝わると思う。
隠さないエロさがあるわけですよ。萌えを狙っているわけではなく、自分はエロいぞと開き直って曝け出しているような、結果としてセクシーでエロティックな雰囲気は持たずに、下世話さや下品さが残るという。しかして、純愛スペクタル。
物語にしても表現にしても組み合わせにしても、どこをどうとってもカオティック。

いつものように感想を書こうとして、途方に暮れた。
この本の説明も感想も難しい。思春期以前の万能感、空想的で性愛的で魔術的な世界で遊んだような感じとしか言いづらい。
困ったら御地蔵様に祈ってみましょう。なむなむ。

本書には「おがみむし」という短編も収められている。「くくしがるば」とは無関係だ。
こちらのほうが更に神話的で、余計なものがなく、どうとでも読める思わせぶりな感じがいい。
メレディス・アン・ピアス『ダーク・エンジェル』を思い出す。
心臓/心を盗まれる。それが恋だと。

表紙がRテストの図版に見えてしまうところからして、困惑するばかりの本でした。いやはや。

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