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2007.03.08

鴨川ホルモー

鴨川ホルモー 万城目学 2006 産業編集センター

表紙を見ただけでも、うふふと笑ってしまう。
これがどこか、京都在住経験者には、一目で知れることだろう。

十人の大学生が集まって挑む、大学対抗の競技。
同じ十人の大学生なのに、三浦しをん『風が強く吹いている』とは大違いで、箱根駅伝ではない。
対戦するは、京大青竜会、京産大玄武組、立命館白虎隊、龍大フェニックスの4チーム。野球でもなければ、ラグビーでもない。
さて、ホルモーとはなんぞや?

葵祭のバイトに始まり、祇園祭を経て、気づけば吉田神社で奉納舞。
出てくる地名の一つ一つが懐かしい。今出川に百万遍、丸太町通に四条烏丸、河原町。京阪三条、岩倉、衣笠。舞台は、微妙に東よりで北のほうに集中する。
西院の自動車教習所って、あそこっすか?
同志社は鬼を扱うには向かないんですかね。むしろ、人が鬼? しくしく。
京大生に橙色のリュックサックはデフォルトなのか? いや、友人はオレンジ色が好きだったが。確かに持っていたけれども、しかし。
自然、独り言も増えた。

この本も楽しむには、やはり、京都を知っているほうが有利だ。
京都で大学生活を送ったり、京都の大学生の生活を知っている人なら、尚よい。
森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』と同じく、標準語で描かれているが、京大出身者による、京大生を主人公とする物語だから、だ。
そして、片思いに舞い上がり揺れ落ちる男心模様を描くところも、この二冊は印象が重なり合う。

ホルモーがなにゆえ始まり、続くのか?
競技者達は考えずにはいられないけれども、それはそういうものなのだ。
物語にも余計な説明はない。その作者の潔さがよい。
登場人物たちは、謎を解くわけでもなく、その呪いにも似た伝統を解体するのでもなく、巻き込まれ、走り回り、戦い抜き、そして歴史は繰り返される。
安部が主人公なら、芦屋とは仲が悪い。それは、そういうものなのだ。
わからなくても、わからないままに、続いていくもの。物語の全体が、一つのお祭りのように織り成される。
祭りとはそういうものなのだ。続けることは、正しい身振りだ。祀ることは祟りを避けるために始まるのだから。

京都なら、魑魅魍魎が歩き回っていようと、それはそれで許されるかもしれない。
京都大学なら、青竜会やら詭弁論部やらがあって……いいのか? いいのかもしれない。思い描いてみると、楽しいではないか。
奇想天外な設定に、妙に説得力のある大学生活と繊細な男心の描写とあいまって、妙な迫力があり、一気に読まずにいられない。
学生気分を思い起こし、ひとしきり笑いながら楽しんだ末、読後に颯爽と香るは、春の青々しい楠の匂い。

最後に、後書きで目を丸くした。これだから、学生って。

 ***

続編 → ホルモー六景

 ***

TBのかわりに……

苗坊さんのブログ『苗坊の読書日記』 鴨川ホルモー 万城目学
このごろ都にはやるもの、勧誘、貧乏、一目ぼれ。

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コメント

あ~~これ!
ちょっと前から「読みたいリスト」に上がってるんだよなぁ。。。
なかなか遭遇出来ずにいたら・・・。

・・・京都にあんまり馴染みがなくても大丈夫かしらーん^^;

面白かったですよ! 『夜は短し~』より文体の癖がなくて、読みやすいと思いますよ。
鴨川と夜は短しとNHK!をあわせて、繊細な男心のじたばた三部作としたいぐらい。

関西弁が一切出てこないので、リアル京都ではなく、京都というファンタジーの世界と思って読むことが可能だと思います。
ミステリと違って、地名や位置関係はあんまり重要じゃないです。

これ面白かったぁ~。
ぶはぶは笑いながら読みました。
・・・茶巾絞りを見る度にニマニマしそう(笑)

えへへ。楽しんでもらえて嬉しいです。
私、この本、好きなんだ。
読んでいて、かなりテンションが高くなりました。

奉納舞の伝説は、なんか聞き憶えがあるような気がするのです。
これぐらいのことは、ほんとにやるやろなー。

TBさせていただきました。
「鹿男、あをによし」に続いて、
「鴨川ホルモー」読了しました。

こっちのほうが好き。

京都にすんだことがなくても面白かった。
安倍晴明について書かれた本、中学のころに、
読んだことがあったので、五行説もすんなり読むことができました。

映像化したら面白いんだろうなぁっと思いましたが、代替わりの儀の時点で、アウトな気がして、また笑ってしまった。おもいだしてw

kiruhamzdさん、TB&コメントありがとうございます。
映像化だなんて、大胆な!笑 吉田神社のシーンはまずいでしょー。とっても楽しそうですが。
今月末に角川から『ホルモー六景』という続編短編集が出るそうですよ。

コメントありがとうございます。
ブログが本来の目的からそれてきたので、読書のカテゴリーは違うブログに移行しようとしています。メインブログは音楽関係のブログだけのこすつもりです。
今後ともよろしくお願いします。
メインブログよりタブメニューをつかってまたきてくださいね。

こんにちは。TBさせていただきました。
1度挫折してしまったのですが、今回は楽しめましたね。
文章に最初入り込むのに時間がかかったのですが、後半はもうどんどん引き込まれましたね。
万城目さんの恋愛模様が取ってもかわいらしくってすきです。
雰囲気が森見さんの作品に似てるなって思ったのは、私だけではなかったのですね。
京都が舞台だからですかね、やっぱり。
今度は続編を読みます^^

苗坊さん、こんばんは。
私は森見作品と万城目作品を同時期にまとめて読んだので、余計に仮想京都の妄想が膨らみあがりました。笑
読みにくさに関しては、デビュー作だけあって、全体がもっと洗練される余地はあるのかもしれませんね。が、私はむしろ『鹿男』を読んだときに、2冊目でこの完成度か!と驚いてしまいました。
万城目は美人がもてるのではなく、個性的な女性を可愛く見せていくところに、作家の技量を用いたいのだそうです。凡ちゃんが可愛くてよかったですね。

香桑さん、こんばんは(^^)。
そうですねぇ、そういえば誰も「ホルモーの起源」とか儀式の意味とか追求してなかったですね(笑)。
綿々と続くことに、意義があるんでしょう♪
京都なら、こういう鬼戦があってもおかしくないような気がしてくるところが、この作品のスゴイところですよね。
私実は、アンソロジー以外で万城目さんの作品て初めてなので、これからたくさん読んでいきたいです。

水無月・Rさん、こんばんは。お久しぶりです♪
この作品、大好きなんです。祇園祭のときに誰かやらないかなって、自分が学生だったらやるなって、思いましたもん。
これの映画も見ましたが、無理だと思っていた吉田神社の奉納舞、ばっちり映像化されていました。音声として再現された鬼語もかなり楽しかったですよ。

マキメ作品ははずれがないです。ぜひ、読んでいただきたいです。

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