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2007.02.06

はじめて読むフーコー

はじめて読むフーコー  中山元 2004 洋泉社

よくよく噛み砕いた平易な文章で、ストレスなくさくさく読める新書だった。
まさにはじめて読むのにふさわしい。

フーコーの著作はどれもインパクトのあるタイトルで、手付かずのまま隠蔽して放置されているテーマを掘り出しており、好奇心をそそるものだった。
学生の頃、しかし、結局は敷居の高さを感じて手に取ることがなかった。
本書は、そんな私のように、フーコーに興味は感じたことはあるけれども、どれから読んでいいか分からないし、読んでも分からない感じがするし…と逡巡している人に勧めたい。
高校生ぐらいでも読みこなす人はいるだろうし、大学の授業で哲学を取ってしまった人の急場も助けてくれそうである。

構成は、1章はミシェル・フーコーの生涯、2章で思想を狂気・真理・権力・主体のキーワードを挙げてまとめ、3章で著作を紹介している。
かなり厳選された内容であると思うが、著作の紹介も丁寧で、次に何を読みたいか、自分の興味に沿うのはどれか、選びやすい。
フーコーの思想の歴史的変遷には、同じ著者の『フーコー入門』"が適切なのだそうだ。

フーコーの考え方というのは、ソシュールが言語学で指摘した、言葉の意味は後から規定されるという原則を思い出す。
狂気がなしに正常は語りえない。春日武彦は『ロマンティックな狂気は存在するか』の冒頭で、「病気である」という診断書は書くより「健康である」という診断書を書く難しさを体験的に述べている。
フーコーが狂気と精神医学・心理学について思索を深めたフランスの精神病院の様相の特異さは、中井久夫『西欧精神医学背景史』の記述が参考になる。フーコー自身の知の枠組みを想定する助けとなった。
フーコーの論じた内容を絶対視すると、こういう枠組みの差異に足元をすくわれるのであるから、本書のように繰り返しフーコーの考え方を強調するのは、良心的に感じる。

妄想たくましく面白く読んだのは、修道士では自己の放棄と他者への服従が徳の高さを示した点である。
アン・ライスの眠り姫シリーズと見比べてみよう。一番理想的なSMの関係性はどのようなものであるか、欧米的な感覚が浮かび上がりそうである。こういう楽しそうなことは、もうちょっと体力が回復してから取り組むことにして。

フーコーは、同性愛者であり、SMも積極的に試みたと伝えられている。そこでHIVに感染し、死亡したことはセンセーショナルなニュースだった。
本書を読むことで、当時の空気を思い出さずにはいられなかった。

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