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2007.02.21

茶色の朝

茶色の朝 フランク・パヴロフ ヴィンセント・ギャロ(絵)
藤本一勇(訳) 高橋哲哉 (メッセージ) 2003 大月書店

なぜ、茶色なのか。
その理由は解説を読むまで、私はわからなかった。

茶色のペットしか飼ってはいけない。
茶色だけ。ねこも犬も茶色だけ。ほかの色は殺される。ほかの色のペットを飼う人も社会から殺される。

他の色は刈り取られる。

短いが、しかし、ずしりと響く重苦しさ。
時流に逆らわず、足並みを揃え、目立たず騒がずにいる保身術は、本当に安全なのか。
考えもしなかったと主人公が言っても、彼は茶色の朝から逃れることを許されない。
想定外は言い訳にはまったくならない。

たとえ、何かを行うことが難しいように思えたとしても、考えることはできるはず。
その自由を自ら捨て去ることのないよう、教えてくれる本だ。

言葉を狩る。その先はどうなるか。
有川浩の『図書館戦争』シリーズで、誰も戦わなかったとしたら、こんな結末が待っているのではないか。
検閲や差別用語について考える良書として強く勧めたい。今、この世情だからこそ。
(2006.1.11)

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