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2007.01.17

昨日のごとく:災厄の年の記録

中井久夫 1996 みすず書房

同じ作者の『1995年1月・神戸:「阪神大震災」下の精神科医たち』を読んでみたいと思った。
残念ながら、そちらは手に入らず、かろうじて購入できたのが本書である。
あの阪神・淡路大震災の後、一年間の記録である。

当時、阪神・淡路大震災についての報道は多かったが、知らないことがどれだけあったことか。
地震後一年間についての精神科医による報告に、建築や都市の観点、倫理学や福祉からの視点が加えられ、ボリュームがある一冊になっている。

あれから10年以上が経ち、社会的な環境の変化もある。
通信ツールを見ても、往時よりも現在のほうが携帯電話が普及し、携帯メールが災害直後の連絡に有効だった例が増えている。
PTSDについての概念も普及し(議論はあるが)、大きな地震が続き、災害援助の経験も残念ながら積まれてきた。
それでも、援助者の消耗、情報の窪地、鋏状の較差拡大など、引き続き課題となっていることもあり、難しさと苦さを感じる。

なにより、この当事者による、その時々の記録だけが持つ説得力は、時間を経て薄れるものではない。
胸が痛み、目頭が熱くなるようなエピソードも多い。
災害時の現象の諸相、予防と対応について、特にメンタルヘルスを主に、貴重な史料である。

地震について、あるいは、災害について、私個人の体験を抜きにして語ることは非常に難しく、自分の身にひきつけて読まずにいることも難しかった。
体力のない私が疲れ果てても仕方がないことであったのかと、自分の体験を、少し、客観的に眺めてみる。
それにしても、私の遭った災害はこれほどの被害をもたらすものではなかった。
同じ条件下に置かれたとき、私はどうするんだろうか。明日は我が身であるかもしれないと思えば、ぞわりと不安が背筋を撫でる。
「次」に、私は何ができるのだろうか。
(2006.10.9)

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