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2007.01.14

木島日記:乞丐相

木島日記 乞丐相  大塚英志 2004 角川書店

北神伝綺が津山三十人殺しで終わり、この小説はここから始まる。
手に取った順番としては正解だったらしい。

前作とキャラの雰囲気が違う。
折口はますます不遇であるが過敏さがやわらぎ、美蘭はふわふわとして浮世離れしているが人間っぽくなり、木島もまた変……というか出番が少ない。
どのキャラクターも、奇矯さが薄れてきたと感じるのは、作者に変化があったのか、読み手である私が彼らに慣れただけなのか。

しのぶちゃんが受けか攻めかで、びみょーなショック。書いているのが男性なだけに、なまめかしさが生々しくてうろたえた。
それにまた、はるみちゃんの祈りが切ない。

人間関係に特に変化があるわけではないが、物語は一層、戦争の予感が色濃くなる。
静かに、気づいたときには手遅れになりそうなほど速やかに、ひたひたと近づき、誰も逃れようのない大きな渦に、既に巻き込まれている空気。
この空気を、小説の外で感じることのほうが怖い。

昔話の貴種流離譚であるとか、異常誕生というのは、両親を離れて育つ子どもの心を守る物語でもあったことを、改めて感じた。

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