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2006.12.25

(短編)涙の匂い

Sweet Blue Age  日向蓬 2006 『Sweet Blue Age』 角川書店

大人は決して賢くも強くもない。

私はその通りだと思う。大して偉くもなければ、凄くもない。正しくもなければ、善くもない。愚かで弱くて、しかし、それなりに一生懸命だったりもする。しっかりと生きるために。

大人の実情に気づくときは、無知な子どもで許される、無恥な子どもで許される、そんな子ども時代が過ぎ去ったときではないか。

大人が子どもに子どもであることを許して守り養い教え育むのは、子どもが子どもの分を守る限りにおいてなのかもしれないけれど、そうやって守り通してやれない場合があるのはとても残念なことである。

自ら子どもの特権を捨て去るものもいれば、奪い取られてしまうものもいる。時間は容赦なく平等に過ぎて子ども時代に踏みとどまることは、誰にも許されない。

淡々とした描写の中に生活感があり、青春の初々しさが漂う良品。誰かの若い日の日記をのぞき見たような気分になった。

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