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2006.12.21

(短編)夜は短し歩けよ乙女

Sweet Blue Age 森美登美彦 2006 『Sweet Blue Age』 角川書店

この作者は初めて。

四文字熟語が多い。
時代を感じさせる文体を駆使しつつ、もっともらしげに語られるのは、祝祭のような一夜。
文章もくせがあるが、これは京都の木屋町・先斗町界隈を知らずに読むのは、魅力半減となるだろう。

夕方に店の前を通りかかったときには、某大学のグリークラブが高らかに校歌を歌っていた。
数時間後の夜中に同じ店の前を通ると、同じ校歌が、ぐでんぐでんになって、まだ聞こえていた。
そんな友人の体験談を思い出す。

早春の頃は歓送会で、晩春から初夏にかけては新入生歓迎会で、夏、秋と季節ごとの飲み会を開く大学生は、それぞれの大学の校歌を歌いつ、鴨川べりに流れていく。
その歌声をたどれば、見ず知らずの同じ大学の先輩同輩後輩が見つかる。

また、あの細い路地の、二軒隣の居酒屋に誰々さんがいるからと挨拶周りに行き、斜め向いのバーには何々先生がいるからと紹介してもらい、店から店へ、扉から扉へ、酒から酒へと転々とするような夜もある。

歩きおおせる範囲内にぎゅっと夜の街が凝縮されている京都ならではであり。
非日常的なものが日常的に、路地の奥に潜んでいそうな京都ならではの舞台装置。
知っている地名に、憶えのある景色を重ねながら、懐かしい空気を味わいつつ読んだ。

映像イメージは、『千と千尋の神隠し』。神々が闊歩する通りのように、萩原朔太郎の『猫町』にも似て、親しみのある街角からするりと異世界に紛れ込む。
李白さんの乗り物も、大きな世界を狭い空間に押し込めたような異世界で、『千と千尋の神隠し』の湯屋でなければ、『ハウルの動く城』をたとえてみたいところである。

愛を込めた握り拳を、自分も作ってみる。
なかなか楽しい一夜の夢であった。

 ***

単行本化されたものの感想 → 『夜は短し歩けよ乙女』

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コメント

これの続編?も含めて1冊の本になってて
ここを読んでちゃんと読んでみようと思ってたんだけどさ~。
#私は途中で挫折したんで^^;
「本屋大賞」にノミネートされてるではありませんかっ!
えーマジっ!?とビックリ。ありゃりゃって感じ;;;
他には「図書館戦争」「風が強く吹いている」も候補に挙がってました。
・・・私が投票者なら悩むなぁ^^;

ほえー。そうだったんですか。
有川さんの新刊発行情報を検索していたときに、この作者の初めての本も出ると知って、気になっていました。
夏目漱石の文体のパロディと思って読んだら、結構、楽だったです。舞台が京都だったから、私もとっつきやすかったんだと思うよー。

んー、「図書館戦争」と「風が強く吹いている」に優劣をつけるのは難しいなあ。

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