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2006.11.02

きいろいゾウ

きいろいゾウ 西加奈子 2006 小学館

この本は、帯がハズレだ。
帯がイメージさせる内容よりも、本文のほうがよかった。

ゆっくり、そろそろと、物語は進む。
慣れるまでは、少し、読みづらかった。主人公の奇矯なほどの過敏さが、読んでいて息苦しい。痛々しい。
特別なことなど何もない田舎暮らし。描写に慣れると、でも、こういう生活は嫌いじゃない。
当たり前の毎日。ありきたりの毎日。ありのままの毎日。

じわじわと近づく、不快な予感。変化の予兆。
日常が、夫婦の生活が、関係が、壊れていく。
後半になると、冗長に感じていたはずの前半の生活が、むしろ壊れてほしくない、そのまま出来事を起さないまま終わらせてほしい気持ちで読んだ。

大人になることは難しい。
どうすること、どうあることが、大人なのだろうか。
どうやって、なにをもって、大人になれるのだろうか。
年齢ばかりは大人でありながらも、子どもに相対したとき、大人になりきれない自分の未熟さを抱えて、なんとも居心地の悪い思いをすることがある。
初めての恋や初めての死、自信のなさや孤独感、不安や緊張を抱えて、大事なことには蓋をしながら、日々を送っている。
主人公の夫婦は、懐に抱えた未完の問題から覆いを去り、過去の思い出から現在を取り戻す。
ともに生きる未来へと続く、現在だ。

最後の一行、大きな文字で書かれた、その一行に、やられたと思った。
なんと幸せなことだろうか。
それがそこにあるから、安心して眠れるのだ。そのことに、出会えること。
誰かがいてくれる日常。自分が誰かの日常のなかにある、幸せ。
きっと、この先の日常は、もっと幸せ。大丈夫。

泣きたくなるほど幸せ。絵本のような小説でした。
文中作は実際に絵本になっています。そっちも見てみたいな。

この終わりは好きだけどー。羨ましくて、その分、いろいろ思い出したり、考えたり、気持ち穏やかではない。
ちょっと、きつかった……。
悔しいから、この本では泣かない。
(2006.11.2)

 ***

その後、絵本を買ったけど、すぐに人にプレゼントしちゃいました。色鮮やかで素敵な絵本でした。

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コメント

読みました。
いや、それだけです。ご報告(笑)

こんなすんごい文章にウチのを繋げていいのか?
と、相変わらずのことを思いながら勝手にトラばらせていただきますです。
「ヤだわ。」と思っても、私と知り合ったのが運の尽きと諦めてください^^;

何をおっしゃる。すずなちゃんなら大歓迎です!
こちらこそ、トラバらせていただきました。よろしくです。

男の子が手紙の中で「わかる?」と何度も繰り返していました。
そうやって確かめたくなる、わからないだろうなあと思いながらも伝えたくなる、そんな気持ちに、親近感を持ちました。

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