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2006.09.24

号泣する準備はできていた

号泣する準備はできていた 江國香織 2006 新潮文庫

うーん。
やっぱり、私、江國は好きじゃないかも……。

『風に舞いあがるビニールシート』と同じく、女性の書いた短編集で、直木賞受賞作。
しかし、森絵都ほどに感情が揺さぶられなかったのです。
インパクトのあるタイトル。時々、ふっと、いい文章とも出会う。
が、なんとなーく、だめ。性にあわない感じ。読後感も悪い。
なんでかなあ。

著者は後書きで、「喪失するためには所有が必要で、すくなくとも確かにここにあったと疑いもなく思える心持が必要」だから、悲しみを通過するときには誰しも号泣する準備ができていると述べる。
うぅむ。
物語で、誰も号泣しなかった気がするぞ。落涙すらできないほどの悲しみだった、という描き方でもないんだよね。
号泣したい気持ちを感じていても、号泣せずにその瞬間を通り過ぎていっているようだった。

これって切ないよね。これって気まずいよね。これって、多分、きっと悲しいよね。
猫を海に捨てないでよ。(一編目。多分、ここで引いた。嫌な印象がしっかりできた)
美しくも愉快でもなくても、忘れられない初めてのデート。そのときの若い、愚かな自分。
世界の外側に恋人と行きたくても、世界中を皆殺しにできないのなら、世界の片隅で愛し合うしかないんだよ。
そして、結婚して喪うもの、結婚のような関係が続く中で失われていくものがあるんだよね。そして、関係が喪われることだってあるんだ。
それはわかる。わかるんだけど、サルトルの表現を借りれば、悲しむときでさえケチくさい、悲しみに対しても吝嗇家である感じ。

いっそ号泣しちゃおうよ~。中途半端は嫌いなんだよ~。
好きな人の特別さを喪ったときに、無理に正気を保たんでもいいんじゃないの?
健康に悪そうな悲しみ方ばかり。わざわざ小説で読まなくても、現実に溢れかえっている。
以前『きらきらひかる』を読んで、悪くはないとは思ったけれども、あれも不健康ではあったなあ。
あの本では若々しいから許された不器用さが、そのまま年だけ取って腐臭を放っているようで。
多分、そこにうんざりとしたのだと思う。

この本やこの著者が好きな人にはごめんなさい。私の今の気分にはあわなかったです。
おばさんは、大人の女性として、もっと開き直って欲望に忠実であるか、もっと開き直って自我に忠実であるほうが、私の好みなのです。

(2006.9.24)

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コメント

香桑さん、こんばんは。
いや~、私も苦手だったです。この作品。
『ルート225』の時と同じで、「で?だから?」と、品の悪いツッコミを入れたくなっちゃうのです。
私は古いタイプの読者なので、こういうさりげなさみたいなの、ダメなんですよね・・・。ついついオチを求めてしまうのです。
いい文章も確かにあったんですけどね…(^_^;)。

水無月・Rさん、こんばんは。
TBもコメントもありがとうございます。
そうなんです。だめだったんです。読んでいてフラストレーションが溜まって、むきーっとなってしまったのです。
私は豪快に泣いてしまうほうなので、作者の感性に寄り添えなかった気がします。

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ええ~と・・・.。『号泣する準備はできていた』って、評判が高い作品だったと思うんですが。 ええ~と・・・。水無月・R的には「何を言いたいんでしょうか・・・」なのでありました。... [続きを読む]

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