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香桑の近況

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2019.06.12

蘇我の娘の古事記

周防 柳 2019 時代小説文庫 今からおよそ1400年前の物語。緑豊かで穏やか、自然の美しい奈良を舞台に物語は紡がれる。今も残る地名もあれば、時の流れのなかで形を変えた地名や、失われた地名もある。でも、これは、この土地に刻まれた物語。こうであったかもしれない物語。こんな人々が生きていたのだろうと、こんなことがあったのかもしれないと、思いを馳せる扉を開く物語。 日本書紀の成立以前に編まれた国記や天...

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2019.06.03

トロイメライ

村山早紀・げみ 2019 立東舎 ページを開くと、文章の上下に挟むようにして、装飾が描かれている。それが贅沢で、手にするだけでわくわくした。装飾のデザインは物語ごとに違っていて、物語の世界を補強している。 『春の旅人』と並べて置きたい。どちらも桜が満開の春を思わせる表紙であるが、どちらも切ないような苦しいような、ほろ苦いSFを表題作としている。 SFというのは、思考実験だ。もしもこうなったら、どう...

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2019.05.30

亥子ころころ

西條奈加 2019年6月24日刊行 講談社 久しぶりの西條奈加さんの小説だ。#NetGalleyJP さんで見つけて、ほくほくして申し込んだ。こちらは『まるまるの毬』という前作があるそうだが、前作のエピソードは程よく紹介されているので、この本から読んでも十分に楽しめる。江戸を背景に、美味しい和菓子と職人の矜持、親子の機微がよりあわさって、味わい深い。 西條さんの物語には、巨悪のようなものは出てこな...

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2019.05.27

極彩色の食卓

みお 2019年6月22日発売 マイクロマガジン社 口に入れるもの、目にうつるもの、耳に聞こえるもの、鼻をくすぐるものが、すべて心の滋養となって、2人の画家が再生していく。食卓に並べられる料理の色彩の美しさ、四季を彩る部屋の美しさなど、挿絵はないのに目に浮かぶような、視覚の想像が存分に刺激される物語だ。一年の時間が物語のなかで流れ、人々が変化していく。その物語そのものも、とても素敵なものとなってい...

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2019.05.17

大学生のためのアルバイト・就活トラブルQ&A

石田 眞・浅倉むつ子・上西充子 2017 旬報社 この本を必要とするのは、大学生だけではない。すべて働く人が知っておいて損がないことが、どこかしらにあると思う。労働契約や罰金、有給休暇やハラスメント、裁量労働制ってなに?ということなど。就職前の活動から、退職に至るまでのあれやこれやは、働いていると無関係ではいられないことが書いてある。 労働法や労働問題を専門とする先生たちによるまっとうなアドバイス...

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アスピーガールの心と体を守る性のルール

デビ・ブラウン 2017 東洋館出版社 対人関係に苦慮しやすい発達障害傾向のある少女たちのために書かれた本だ。アスペルガーの少女という意味の、アスピーガールという可愛らしい呼び方にこだわらず、お付き合いがうまくいかない、お付き合いというものがまだよくわからない、という人たちに読んでもらいたい。これは性のハウツー本ではなく、人付き合いのためのハウツー本だから。きっと、必要としている人は多いと思う。 ...

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2019.05.13

滔々と紅

志坂 圭 2017 ディスカヴァー・トゥエンティワン 旅先で大きな書店に立ち寄った時、さわや書店の方の誉め言葉が帯になっており、興味を持った。その時は帰宅してから最寄りの本屋さんに取り寄せをお願いしたが、残念ながら取り寄せが難しくて手に入れられなかった。それから2年。幸いにも、#NetGalleyJP さんで読む機会を得た。 忘れたことはない。冒頭のインパクトは、それぐらい大きなものだった。目の前...

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2019.04.23

シェーラ姫の冒険(下)

村山早紀 2019 童心社 新しい国を1つずつ回りながら、宝石を1つずつ集めていきます。シェーラ姫の冒険の後半は、びっくりするような出来事が待っています。 同じ目的を持つ、3つの勢力。シェーラ姫とファリードとハイル。孤高の魔法使いサウード。元盗賊ハッサンとアリの二人組。さあ、彼らのうちの誰がどうやって、宝石を全部そろえて、魔法の杖をつかむのでしょう。誰のどんな夢がかなうというのでしょうか。 明るく...

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2019.04.05

居るのはつらいよ:ケアとセラピーについての覚書

東畑開人 2019 医学書院 同業者の間で話題になっていた本だった。自分より若い人が次々に専門書を書いていく。そこに、少々の危機感や焦燥感を持ちながら、読み始めた。 私にデイケアの経験はないけれど、ここには、日常の臨床場面での風景がありありと描き出されていた。臨床を知らない人に臨床がどのような営みであるかを伝えようとするとき、筆者が書いている通り、「論文の硬い言葉たちでは掬い取ることができなかった...

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世界一美味しい煮卵の作り方:家メシ食堂ひとりぶん100レシピ

はらぺこグリズリー 2017 光文社 この本の大きな特徴はお料理ごとに予算が書いてあること。外食で食べるときのお値段と見比べてみるとよいと思う。 そして大事な裏技が書いてある。 「料理なんて適当でOK!」 本当にその通りで、レシピ通りの材料が手に入らない時には違うもので代用したり、付け加えたり、減らしたり。市販のものだって、どんどん取り入れて利用すればいい。毎日の料理ってそういうものであることを踏...

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